路線バス再編成が目指すのは?全試験路線踏破で考える
一昨日、バンコク路線バス再編成で実施された8つの試験路線に関しての「不完全バスガイド」全てのエントリーを終えました。
8月15日から9月15日までの限られた試験期間だったので、だいぶ慌ただしかったのですが、全路線全区間に乗る事が出来ました。
いつものように不完全バスガイドをエントリーしたものの、限定期間だけの試験路線でどなたのお役に立つ事もないだろうと空しいエントリーでした。
しかし、私自身の中には・・・全くスッキリしない今回の突然で強引な再編成で目指しているものが見えるのではないかと・・・そんな気持ちがあったから無理してでも短期間に全く新しい8つの路線を乗りたかったです。
何しろ、自分が実際に見たり経験しないと何事も納得できないし、ブログに書けませんから(笑)
その8つの試験路線は以下の通りでした。番号をクリックすると詳細エントリーが見られます。
B44 ラマ9世バス車庫~戦勝記念塔の周回ルート
B45 スワンサイアム~サパーンプット
G21 ラマ5世橋~ランシット
G59E ミンブリー~高速経由~シープラヤ
R3 ラマ9世公園~国立競技場
R41 ハッピーランド~タノントック
Y59 クラトゥムバン~タリンチャン駅
Y61 ムバーン・セトキット~北バスターミナル
8つの試験路線全てに共通した変化点は以下の2点です。
1、試験路線はオリジナル路線と走るルートが20~40%変わる。
2、試験路線はオリジナル路線に比べて長くなる。
1のルートが変わるに関しては当初から路線番号の変更だけでなく、ルートも変わる事は予想していました。
2の路線が長くなるのは予想外でした。反対に短くなるのもだと思っていました。
本ブログがニュースネタを扱わない主義に反しニュースリリース・レベルで書いたのが8月9日のエントリーです。「バンコク路線バスが大きく変わる?路線も番号も(対比表付)」ですが、私自身はタイ交通省のサイトを早くからウオッチしていたので、この段階で新番号付与方法の説明と新旧路線番号対比表も作成していました。
その最初のエントリーでこう書いています・・・『いずれにしても現行のバンコク路線バスが複雑過ぎて整理が必要なのは私が一番よく知っています(笑)重複路線、長すぎる路線、同じ番号でルートが異なったり、すでに死にかかっている路線・・・それらを解決する一歩なら大いに賛同します』・・・と(笑)
どうもそんなきれいごとの抜本的な改革では無いようです(笑)って予想通りなのかも知れませんが(苦笑)
そんな期待をしてしまったのは、新番号は地域別に4つに分けた色別記号が最初に付与されるからでした。ある程度色(車体色と番号の記号)でパッと見て走るエリアが分かる仕組みにするのかと・・・例えばソウル路線バスのように色でのおおよその走る所が分かるようにです。
実はこれは現在8つある管轄バス車庫別に決められたエリア番号で、それを単純に1と2はG、3と4はR・・・としただけの話で、一般乗客は別にしてもコアな路線バスファンは路線番号を見ただけで管轄車庫が分かるし、車体番号でも判断できる事でした。
車体番号が8から始まるならモーチット車庫だなぁ・・・って(笑)
今回の試験路線すべてで路線が長くなっているのもあって、全て複数の色別エリアを通ります。それなら色分けした目的は何?って感じです。利用客にとって「色別の車体や番号は意味ないじゃん!」ってわけです。
8つの試験路線だけですが、複数の異なる色のバスが走る区間は多くあります。戦勝記念塔のバス停はさぞ賑やかな色で染まる事でしょう。
遠い将来は別にしても、色別番号にする意味が利用客側には全くないのなら、なぜ路線番号を一新するのでしょうか?
私が知る限りの話ですが、新旧路線番号対比表を作成したように現在は121の新番号が分かっています。
これらは現在の直営バスが走る路線のみで、タイ語で「n」のような文字が付いたコーカイ路線(例えば26nや36n)、番号は同じでも行先表示板の色で区別する高速道路経由路線と一般道路路線、これも番号は同じでも途中で枝分かれする枝線路線・・・などはそれぞれが新番号が付与されるようで、分かり難い原因の一つが解消されるはずです(たぶん)。
それだけなら現行番号下で路線廃止された番号の整理も含め、いくらでも方法があったはずです。
わざわざアルファベットの色コードを付けてまで番号を全く変えて、ルートも変えて、路線を長くする・・・
試験路線は走るルートが異なるのにオリジナルの番号も表示していました。実際に試験路線に乗っていて感じたのですが、それが余計に誤解を与えて間違えて乗る人が多かったです。もっともその表示が無ければ乗る人はさらに減ったはずでもあるのですが・・・
20年前ぐらいだったか・・・エアコン車が現れ、ノンエアコン車(サーイ路線)とエアコン車(ポーオー路線)で番号が別々に付与されていました。ポーオーとは空調のタイ語プラップ・アーカートを略したタイ語2文字でエアコン車を意味します。
それがその後ポーオー路線を500番台としたのですが、今は500番台でもノンエアコンはありますし、その反対に500番台以外でもエアコン車はあります。もう全く意味ない番号変更だったのですが、当時も新旧両方の番号を記したバスが走っていました。
話を今の再編成と新番号に戻しましょう(汗)
試験路線で見えて来たのは・・・どうやら再編成では地域別に路線をまとめるような編成替えはなくて、反対に路線が長くなるケースも出て来るケースが多くなるだろうって事です。
それではなぜ今、再編成と新番号への変更を行うのか? そしてなぜ発表後に急いで試験路線を走らせたのか? たった一か月の試験走行を急に実施する意味はあったのか?
私的にはその理由が委託バス路線にあるように思えてなりません。試験走行を急いだのは「今度は本気だぞ!」と委託バス会社に示したのではないでしょうか?
私が確認しただけですがBMTA路線バスは現在203路線ほどです(多少前後するでしょうが)。コーカイ路線は別々に数えていますが、枝線や高速路線は一緒にしています。また同じ番号でも直性と委託、あるいは複数の委託会社が少し異なる路線があります。これらを別々に数えて行政側は260以上の路線と言っているかと思いますが、その中で発表されているのは直営バスの121の路線だけです。
路線の整理で統合廃止されるとしても委託バス路線が100以上は残ると思うのですが・・・これらがどうなるのかが全く見えていません。
一方、話が新編成に繋がるかは別にしても、直営バスは色々な改革に着手しています。
現行車両全てにGPSやモニターなどの運行管理システムを設置しつつあります。またアセアン製であるかないかでもめていますが、新型車両も多数導入予定です。また共通電子チケットの導入でワンマン化を進める事もアナウンスされています。
これらは直営バスだけが行うのでしょうか?
委託バス会社にも何らかの要求をしていると考えるのが普通でしょう。それらの改革に追従出来なければ・・・契約を打ち切るような話が進んでいるのではないでしょうか。
そしてその契約が新編成と新路線番号付与をタイミングとして委託会社に迫っているようにも思えるのです。もちろんこうした行政サービスの一部を委託する場合の利権や裏の話はたくさんあるのでしょうが・・・
直営と委託を比べたら圧倒的にオンボロバスで自由過ぎるバンコクの委託路線バスです。個々の会社がそんな要求には付いて来れないでしょう。何か別な形で大きな企業が出て来るのか? それとも直営が委託路線に代わるのか?
新編成と新路線番号で全て一新されるにはまだまだ時間がかかると思います。それまでは委託バス会社、委託路線がどうなるのか・・・それが注目かと思います。
まぁ、私が勝手に推測しているだけの話ですけどね(笑)
2年もかけてこんな厄介な事をしなくても、今すぐ出来る安全運転・・・って言うか、当たり前の乗降時にきちんとバス停に停まるとか、無理な追い越し車線変更を止めると言った公共交通機関最低の安全教育を徹底するのはしないのでしょうか? 最低でも車内清掃するとか、車両整備を徹底するとか、やる事はたくさんあるはずですが(笑)
それら基本をないがしろにしての、車体や設備のハード面、委託会社との水面下のやり取り・・・全てお金が動く事が真っ先にあっての公共交通って・・・最後はどこかで大きな危険が利用者にのしかかるような気がしてなりません。
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