サムットプラカーン東部を行く④海抜以下とサムロン運河

サムットプラカーン県でもバンコク都に近いサムロンやパークナムなどがある西部ではなく、チャチュンサオ県と接する東部『ディープ・イースト・サムットプラカーン』を紹介するシリーズです。

20180305 BP 2

前回は海に突き出た桟橋とその根元にある食堂を紹介しました。地元の方々だけが知る、ゆったりした時と海風が気持ち良い所で、このエリアへの公共交通も紹介しました。観光ガイドはもちろんネットでは書かれた事が無いだろう地です。

今回からはサムットプラカーン県の最東端になるバンボー郡のエントリーになります。東隣はチャチュンサオ県です。本ブログで何度も書いていますが、バンコク都を知る前にサムロンやパークナムを80年代から訪れていた私にとって20年以上前から良く知る地でもあります。

20180218 SP 4

前回までのバンプー同様にタイ語から始めてみましょう。くどいのですが、私はタイ語を話すのは超幼稚で読み書きは全く出来ず、地名など最低限必要なタイ語をパターン認識しているだけです。バスやソンテウに乗るのにいつの間にか覚えたと言うか、記憶しただけですね(汗)

カタカタで『バンボー』、英語だと「Bang Bo」ですが、「バンบาง」は地名によくある「水辺の村」の方のBangで、例によってバンナー、バンプリー、バンカピ・・・とバス乗りは嫌でも真っ先にパターン認識したタイ文字です(笑)

บางบ่อ

「ボーบ่อ」は「池」のボーです。たしかに初めてここを訪れた時から今も、池だらけです。行っても行っても池ばかりだったのが正直な印象です。養殖に使われている池も使われていない池もあるでしょう。昔は大きな工場団地が無かっただけで、その周囲は変わりはありません。塩が関係するのか稲作や畑が広がる地とも異なります。

こんな地域の特徴と、熱心な読者からのご質問もあったので、古い地図や画像が好きなブログですが、今回はいつもと違って標高図を出しましょう。これが面白いのです・・・青色が平均海面 (MSL)以下で水色同じレベルを意味しています。

20180313 Map

面白いのは、バンコク都東端に南北に走る深く広い溝が見られる事と、それがサムットプラカーン県で大きく広がっている事です。この標高図範囲だけで言うなら北はパトゥムターニ県のラーチャモンコン工科大学タンヤブリー校(画像下)から真南に向かっています。この大学と位置は「蓮ミュージアム」で書いています。

20180313 Univ

南北の大きな溝はミンブリーの東にある「ワリィピロム自転車公園Wareepirom Park」(画像下)を通り、スワンナプーム空港の北で大きく三角州(デルタ地帯)のようにサムットプラカーン県を中心に広がります。ワリィピロム自転車公園の位置は「アパート近くにこんな所があれば②自転車に乗るなら」で書いています。

20180313 Park

これはまるで古代のチャオプラヤー川の流れに見えないでしょうか? 専門知識がなくネットはもちろん今回は文献を調べたわけでないので、私的な勝手な古代への妄想で笑われてしまいそうですねぇ~

本シリーズの「②スワンナプーム高架水路」に書いているのですが、スワンナプーム空港の計画が公になった時に私を含めて地元の方々は『なんであんな湿地帯ですぐ水が出る所に・・・』と誰もが思ったわけがここにあるのです。空港周囲を3m程度の堤防を築き、特別な排水路を造っても・・・本当に大丈夫かと誰もが半信半疑だったのです。

そしてそのスワンナプーム高架水路のエントリーでちょっと触れたバンコク首都圏を守る2014年度の「キングスダイクKing Dike建設計画」ですが、これが人口密集度が高く政治経済の中心であるバンコクを守るべき堤防なのです。この海抜ゼロメートルの溝の西側に造られています。

20130313 King Kaeo

堤防と言っても高さ1mぐらい道路を上げるような考え方で歩いても気が付かないぐらいかと思います。画像上の空港西側のキンケーオ通りの中央分離帯もこの堤防の一部とされています。

これが2011年のように北からじわじわと洪水が迫った時にバンコク都を守り、人口非密集地帯へ水の流す考えです。この非密集地帯には空港もサムットプラカーン県の工場団地も含まれています。ただし、実態はズタズタで今のままでは役に立たないとハッキリ言えます。

別な話で、2015年に終えた日本の約55億円の無償資金援助が使わて、かさ上げされた国道9号線かさ上げ工事も洪水対策で、アユタヤ県からバンコク都でこの溝のすぐ西側になりキングスダイクに繋がります。

もっとも都心部ど真ん中でもゲリラ豪雨まで行かなくても、激しい雨ですぐに冠水するエリアが多いのは別な話です。そしてサムットプラカーン県で言えば、地盤沈下に海岸浸食、そして海面上昇と高潮の方が深刻な問題になるように私的には思えます。

話を戻しましょう・・・・(汗)

いずれにしてもこうした地であるのを実感させるのがバンボー(池の水辺の村)の意味です。

20180313 Hia

サムットプラカーン県の資料に寄るとバンボーは1930年に「バンヒアBang Hia」から変えられたそうです。バンは例の通りで「ヒア เหี้ย」はミズオオトカゲ(画像上)の意味です。まぁ、それもこの地を現していたとは思うのですが、タイでは人を罵倒する時にも使われる言葉なのでさすがに具合が悪かったのでしょう。

話を戻しましょう・・・・(汗)

サムットプラカーン県の他の郡同様に、バンボーも誰もが知るだろう日系大企業の工場があるのですが、大幹線道路のバンナートラート通りやスクムビット通りが整っていない時代は水路沿いに町が点々として、周囲は池がずっと続いていた事でしょう。

バンボーの中心部にはそんな昔をしのばせる風景が残っています。サムロン運河が三叉路のように交差する所です。

20180313 Samrong 1

サムロン運河はチャオプラヤー川とバンパコン川を東西に結ぶ運河です。直線距離だと50㎞ぐらいだと思います。サムロン、バンプリー、バンボー、そしてバンパコンを結びます。

サムロン:多くのエントリーがありますが「⑥来月BTSが通るサムロン」がまとまっています。

20180313 Samrong 2

バンプリー:多くのエントリーがありますが「⑧バンプリーで絶対に行くべき寺」がまとまっています。

20180313 Samrong 3

バンボー:今後のエントリーですね(笑)

20180313 Samrong 4

サムロン運河はちょっと離れていますがバンナートラート通り(画像下)の南側、そしてテーパーラック通り(画像下の下)のすぐ北側を流れます。

20180313 Road 1

トヨタ、日産、ホンダ、いすゞ、日野と言った早くからの自動車製造業の進出があり、サプライチェーンも県内至る所で見られ、バンプー、バンプリー、バンボーと言った工業団地を支える幹線道路が走るサムットプラカーンですが、そんな道路がない時代はサムロン運河のみが県の東西を繋いでいたのです。

20180313 Road 2

バンナートラート通りやテーパーラック通りのような産業道路と言える新しい道は別にして、「バンコク・サムットプラカーン道路」がスクムビットと名を変えたのが1936年9月8日です。その翌年1937年の地図が以下です。

20180313 Map 1

この地図はタイ国鉄より早く1893年に開業した外国資本の民間鉄道でパークナム線の一部です。タイで最初の鉄道がパークナムからファランポーン近くまで走っていたのですが、その痕跡を追っての街歩きもしています「⑤タイ初の鉄道跡を通りサムロンへ」が、この時点でも(今のスクムビット通りが)サムットプラカーン道路として工事中(Under Consutruction)になっています。

要はちゃんとした道路など無かったのですが、注目すべきは鉄道のサムロン駅に「Landing Boat to Chachoeng Sao」と記されているのです。もちろん「サムロン運河Khlong Samrong」の事です。ここからチャチュンサオへ運河船で行くのが常だったのでしょう。

20180313 Map 2

画像上が1954年のサムットプラカーン県で、私がよちよち歩きを始めた頃でしょうか(笑)スクムビット通りに上記のパークナム鉄道、それ以外で・・・市街地がパークナムにあるぐらいでしょうか、この地図でもサムロン運河が東西交通の重要な役割だったのが理解できます。

サムロン運河がいつ出来たのか調べた事があるのですが、英語の文献に『アユタヤの記録に15世紀末にサムロン運河の浚渫を行ったとの記録がある』と読んだ事があるのですが、そこまで古いのか疑問でそれ以上調べるを止めしてしまいました(汗)

20180313 Bang Bo 1

いずれにしてもバンプリー古市場も120年ぐらいだったと思うので、バンボーの町も百年以上の歴史があるのでしょう。もっとも運河沿いの古い家並み以外は全くそんな感じがしないで、周囲の工場団地と新興住宅で賑わいある所です。

その古い家並みが残っているのがサムロン運河が三叉路になる所です。サムロンがある西から来た運河はバンボーで南と東に別れます。東に行けばチャチュンサオでバンパコン川に接し、南はダン運河でタイ湾へ接しています。そこがクローンダンの町(画像下)です。

20180218 SP 5

さて・・・次回からはバンボーの古い家並みが残っている運河沿い、そしてバンボーから南下してクローンダン、その後に海沿いのスクムビットを通り海に突き出たワット・ホントーン、その後にバンパコン川河口を見るショートトリップになります。

20180313 Map 3

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2018.03.13 | コメント(2) | タイ・トラベル

コメント

楽しく拝見しています。

おはようございます(^^)/
本当に毎回、サムロン運河など地域の特性や歴史を背景に感心するばかりです。
そちらは今からが一番暑い時期でしょうか、体調に注意され、これからも楽しいブログを(^^♪

2018-03-13 火 02:54:31 | URL | matu #- [ 編集 ]

Re: 楽しく拝見しています。

matuさん

コメントありがとうございます。

ただ時間だけはたっぷり年寄りが好きな街歩きをしているだけのブログなので・・・人様に感心されるようなものではなく、お読み頂いているだけで励みになります。

2018-03-13 火 10:06:28 | URL | ALSTER #- [ 編集 ]

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プロフィール

ALSTER

Author:ALSTER
 
ALSTER(アルスター) 深川生まれの江戸っ子。アジア・ヨーロッパ・アメリカなどで海外在住28年超。55歳で日本企業を早期定年退職後アメリカで現地採用され2014年末退職。その後3年半タイでロングステイ。90年代前半からパソコン通信・PC改造・ホームページ運用を行い世界中からアクセス。そんな趣味から海外アクセス術、旅先通信本などの出版にも関わる。ヨーロッパ、北米、東南アジアの国々はほとんど訪れ、旅行にお酒・食べ歩き大好き人間です。

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