トンブリー王朝の面影を探し26 バンコクノイ散策③

トンブリー王朝の面影を探しての街歩き、中心部であった旧王宮エリアと城壁跡を離れてバンコクヤイ運河とバンコクノイ運河沿いを歩いています。

前回はバーンブ地域の迷路のような路地を歩き、この地区にアユタヤから移り住んだカンノンヒーンと呼ばれるブロンズ製器の職人集団の痕跡を見ました。

20180327 BB 6

実はこの小さな旅は昨年末にしていますが、最近の旅でアユタヤを歩いた時があって、その時にアユタヤ時代のブロンズ器を「チャンタラカセーム国立博物館 Chantharakasem National Museum」で見ました。

20180408 Museum 1

説明文が「アユタヤ時代の銅器」としかないので、博物館の係員に色々聞いたのですが、まさかのゼロ回答でした。英語もほとんど通じないしアルバイトかな?(苦笑)この博物館の性質とアユタヤの特徴から、王室関係者の所持品で海外から持ち込まれた物かも知れませんねぇ~

さて、話を現在のトンブリーに戻して・・・

空も狭く見える細い路地を抜けて「トンブリー機関車整備場Thonburi Locomotive Garage」に出ました。

20171120 Thonburi 13

現地の説明板によると、南本線の起点駅だった今は無い「バンコクノイ駅 Bangkok Noi St.」と一緒に造られたそうです。この駅は度々本ブログで登場していますが、トンブリー駅から800mほど離れたバンコクノイ運河とチャオプラヤー川が合流する角にあった終着駅でした。

20171207 Thonburi 10

上の古い写真を見ると左上の角にトンブリー機関車整備場が写っています。別な(バンコクノイ博物館で撮った)写真を見ると・・・トンブリー機関車整備場には転車台があったのですねぇ~

20180408 BN 1

画像上では上部にバンコクノイ運河、そして今も見える給水塔も写っています。1903年の開業(バンコクノイ駅~ペッチャブリー駅間)の後はドイツ製蒸気機関車が走っていたのではないかと思いますが、第2次世界大戦をきっかけに日本製蒸気機関車が主流となりました。画像下はJesada Technik Museumのドイツ製蒸気機関車です。

SLC 184

ここでは特にバンコクノイ駅を起点とした泰緬鉄道を思わずにはいられません。ビルマ戦線への物資輸送の為に戦時中の1942年に建設開始し、戦局悪化の中での難工事に連合国捕虜も含めて人海戦術で強引に建設され1943年の完成です。しかし、完成後も何度も爆撃を受け多くの人と蒸気機関車も犠牲となりました。映画「線上に架ける橋」は有名ですね。画像下はアユタヤのバーン・オランダで撮った写真です。

20180408 Museum 2

またバンコクノイ駅はタイ映画やドラマの『クーカム』(メナムの残照)の重要な舞台になっており、連合軍により爆撃されるシーンも出て来ます。そんなビルマ戦線の時代さえ思い起こさせる地でもあります。

20180408 BN 2

これも現地説明板によるとタイ最後の5両の蒸気機関車(the last five stem locomotives in Thailand)が整備されているそうです。全て日本製でC56型がタイ国鉄での番号で713と715番、パシフィック型が824と850番(画像下)、ミカド型が953番で5両です。

20180408 BN 3

私は人(なかでも日本人)が多く集まる華やいだ所が苦手なので見に行った事はありませんが、記念日などにタイ国鉄が蒸気機関車を走らせていて、ファランポーン~アユタヤ間はパシフィック型だと思います。カンチャナブリー方面はC56と思っています。画像下は713番(C56 15)で、その後方もC56だと思います。

SLC56 183

このC56型に関しては最近別なエントリーでも買いたいのですが、1941年末に軍事供出されて90両 (C56 1~90) がタイとビルマに送られ、あの有名な上記の泰緬鉄道の主力機関車として使われました。トンブリー機関車整備場では動態保存ですが、タイ各地で静態保存のC56を見る事が出来ます。

画像下はタイ映画博物館の「C56 47(738)」でその下はファランポーン駅の「C56 16(714)」です。

20180331 Film Museum 6

SLC56 182

そして、戦火を越えた2両のC56が日本へ戻されました。「C56 31」は靖国神社の遊就館で出征帰還の機関車として静態保存されています。「C56 44」は大井川鐵道で「きかんしゃジェームス号」として動態保存されています。

SLC56 181

ミカド型の950番は今は無いタイ国鉄南本線の終着駅だったバンコクノイ駅跡に静態保存されています。目の前がチャオプラヤー・エクスプレスの船着場で「N11 右岸 ロットファイThonburi Railway」英語表記を訳すと「トンブリー・鉄道駅桟橋」ですねぇ~

20171207 Thonburi 7

さて、この機関車整備場は2回ほど行って最初は野犬に追われて近づけませんでした。2回目はそのトラウマで遠くから見ただけなのが残念です。整備場が特に立ち入りを禁止しているようには見えないので、作業の方に頼めばかなり近くで見られるように思うのですが・・・

その機関車整備場から延びる線路の一つは広く荒れた地に消えていきます。終端線路の先に建つのが大きなシリラート病院のビルで、バンコクノイ駅跡に建てられました。

20171207 Thonburi 3

さて・・・なかなか終わらない本シリーズですが、次回は本当に最終回です(たぶん・・・)。バンコクノイ運河をアルンマリン橋で渡り、運河の北側からピンクラオ橋に向かいます。

20171207 Thonburi 5

20180327 Map

「トンブリー王朝の面影を探し」シーリーズの今までのエントリーは次の通りです。

トンブリー王朝の面影を探し1 その中核と歴史
トンブリー王朝の面影を探し2 城壁跡を歩く 南側
トンブリー王朝の面影を探し3 城壁跡を歩く 中央部
トンブリー王朝の面影を探し4 城壁跡を歩く 北側-1
トンブリー王朝の面影を探し5 城壁跡を歩く 北側-2
トンブリー王朝の面影を探し6 城壁跡内
トンブリー王朝の面影を探し7 次回予告と新たな気付き
トンブリー王朝の面影を探し8 傭兵達に与えた地グディ・ジーン
トンブリー王朝の面影を探し9 ポルトガル縁の地
トンブリー王朝の面影を探し10 モスリム地区-1
トンブリー王朝の面影を探し11 モスリム地区-2
トンブリー王朝の面影を探し12 タークシン王が眠る寺
トンブリー王朝の面影を探し13 王を支えた猛将が眠る寺
トンブリー王朝の面影を探し14 タラート・プルー
トンブリー王朝の面影を探し15 非常に印象的な二寺
トンブリー王朝の面影を探し16 ワット・パクナム
トンブリー王朝の面影を探し17 バーンルアン水上マーケット
トンブリー王朝の面影を探し18 バーン・シンラピン
トンブリー王朝の面影を探し19 路地歩きが楽しいエリア
トンブリー王朝の面影を探し20 バンコクヤイ運河の終端
トンブリー王朝の面影を探し21 チャックプラ運河
トンブリー王朝の面影を探し22 バンコクノイ博物館
トンブリー王朝の面影を探し23 ワット・スワンナラム
トンブリー王朝の面影を探し24 バンコクノイ散策①
トンブリー王朝の面影を探し25 バンコクノイ散策②

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2018.04.08 | コメント(2) | バンコク街歩き

コメント

花文化博物館へは?

ALSTER様
いつも、楽しみにして読んでいます。さて、我が家では、珍しく7月上旬にバンコク行きを計画しています。来年の1月は、私が旅行に行けそうにない予定が入ったためですが・・・。7月にバンコクに行った経験は1回だけです。雨季のバンコクでどう過ごすか、いろいろ考えていますが、行きたい場所の一つに、貴ブログで紹介されていた「花文化博物館」があります。何時ものようにサトーン船着き場周辺に泊まるつもりですが、この辺りから「花文化博物館」に行くには、やはりチャオプラヤ川のボートを利用するしか、無いのでしょうか?
 最近(と言っても年に1回しか行っていませんが)、サトーンの船着き場でボートを待つ人が多く、かなり待たされ、座ることは殆んどできません。バス等を利用する方法があれば、教えてください。
 それから、ラッタナーコシン博物館にも、行くつもりです。こちらの方は、何とか、たどり着けるとおもいますが、バスで行く方法を教えていただければ、助かります。

2018-04-08 日 15:01:47 | URL | dai福 #- [ 編集 ]

Re: 花文化博物館へは?

dai福さん

おっしゃる通り7月は雨期の最中ですが、一日中雨が降る事はなく、降ったら傘を差しても外を歩けないので、雨宿りしてやり過ごせる事をいつも考えますねぇ~ 私の場合はバスに乗って、車窓から雨のバンコクを見て過ごしますが(笑)

サトーン船着場周辺から花文化博物館までですが・・・

1、私もチャオプラヤー・エクスプレスはどんどん嫌いになっています。混雑する事、なぜかどの係員も横柄な事、BTSに乗る事はないのでサトーンは使わない事などからです。それでも一番単純な方法はサトーンから「N18 左岸 パヤプ Payap」まで乗って、パヤップからは(道が分かっているなら)徒歩20分で花文化博物館です。

パヤップからサムセン通りに出て、北へ向かうバスの3,16,30,32,33,49,64,65,66,505番でバス停2個分乗っても良いかと思います。あるいは「N13 左岸 プラ・アーチット(バンランプー)Phra Arthit」で降りて目の前のプラアーティット通りで3、30、33、64番などに乗ると徒歩区間が一番少ないと思います。

2、チャオプラヤー・エクスプレスを使わない場合は選択肢が多くなりますが、本数が多い事からサトーンから1番に乗って王宮広場まで行きます。王宮広場で3、30、33、64番に乗り換えます。

この場合の問題点は、1番は王宮を一周するように走り、王宮への観光客入口がある北側を過ぎて王宮広場の南を通ります。その王宮広場の南で降りたいのですが正規のバス停がないのです。でも私はいつもそこで降ろしてくれますが(笑)そして、乗り換える3、30、33、64番のバス停が王宮広場の北方で国立博物館前あたりなのです。
まぁ、乗り換える途中で王宮広場を見るぐらいの場合に使えます。

サトーン船着場周辺からラッターナコシン博物館ですが・・・

1、一本で行ける路線バスは35番(新南バスターミナル行き)にチャルンクルン通りで乗って、ラッターナコシン博物館目の前(ラチャダムヌンクラン通り)で降りれます。問題は本数が少ない事で30~45分は待てる忍耐力がある場合です。

2、乗り換える選択肢は何十通りもあるように思えますが・・・本数が多く単純なのは1番で「チャクラペット通りChakkraphet」(プラポックラオ橋から北へ上がる通り)のインド人街あたりで降ります(インド・エンポリアム前)。降りたバス停で56番(循環路線ですが反時計回り)に乗り換えます。56番はエアコン車でも13バーツ均一です。チャクラペット通りを北へ向かうとマハチャイ通りMaha Chaiとなり、マハカーン砦の前で降ります。マハカーン砦から博物館まで徒歩7分程度です。

ワットポーとヤワラーの間にある「オールドサイアム・ショッピングプラザThe Old Siam Shopping Plaza」前の「トリペット通りTri Phet」で1番から12番に乗り換えても良いかと思います。12番は民主記念塔のロータリー手前で降りて、博物館まで徒歩6分ぐらいです。

文字にするとややこしいので、上記内容をGooglMapsで一度追って下さい。

2018-04-08 日 16:57:51 | URL | ALSTER #- [ 編集 ]

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プロフィール

ALSTER

Author:ALSTER
 
ALSTER(アルスター) 深川生まれの江戸っ子。アジア・ヨーロッパ・アメリカなどで海外在住28年超。55歳で日本企業を早期定年退職後アメリカで現地採用され2014年末退職。その後3年半タイでロングステイ。90年代前半からパソコン通信・PC改造・ホームページ運用を行い世界中からアクセス。そんな趣味から海外アクセス術、旅先通信本などの出版にも関わる。ヨーロッパ、北米、東南アジアの国々はほとんど訪れ、旅行にお酒・食べ歩き大好き人間です。

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