チャオプラヤー元流を歩く③ バンクルアイと船形の寺

タイ中央部を南北に流れるチャオプラヤー川はタイの歴史、経済、文化、庶民の暮らしまで大きく影響を与えながらも、その流れを変えるショートカット「捷水路(しょうすいろ)」が多くの湾曲部に造られて今の姿は昔と異なります。

そのチャオプラヤー川の元の流れを追う事は、チャオプラヤー川左岸(東側)ラッターナコシン島の現チャクリー王朝、チャオプラヤー川右岸(西側)のトンブリー王朝、そしてアユタヤ王朝へと時代をも遡る事になります。

20171218 Wat 1

そんな「チャオプラヤー元流を歩く』シリーズの第3回です。今までのエントリーは以下の通りです。

第1回「チャオプラヤー元流を歩く①序章
第2回「チャオプラヤー元流を歩く②カトリック教会歴史地区

前回はタイ国鉄の鉄道専用橋で旧ラマ6世橋とラマ7世橋が隣り合っている所まで来ました。そのラマ7世橋のすぐ上流にバンクルアイ運河Bang Kruai」の閘門(画像下)があって、チャオプラヤーの元流はここから大きく西へと流れを変えます。

20180514 BK 1

バンクルアイ運河は「ここが本当にチャオプラヤー川元流?」と思わずにはいられない細い流れです。

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それはそうかも・・・と思うわけは、今回このシリーズで書くチャオプラヤー元流では本流でなくなってから一番長く経つのです。

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バンクルアイ運河の西端で一番古い捷水路が1538年に掘られて(現在の)オームノン運河からバンコクノイ運河に繋がったので、本流でなくなったのが一番古いのです。しかも東端でも1636年に捷水路が掘られたので、さらに意味のない流れになったように見えます。

20180528 Map 1

それが一気に変わるのがバンクルアイ運河(西端)とオームノン運河(東端)にバンコクノイ運河(北端)が丁字状で交わる合流点です。

バンクルアイ運河の西端(ほとんど小川のようです)
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オームノン運河の東端
20180514 OmNon

バンコクノイ運河から見た北端で丁字状の合流点
20180514 Noi

この部分のバンコクノイ運河が現王宮前の捷水路よりも古い1538年に掘られたのです。もっと上流に行けばさらに古い捷水路があるのかも知れませんが、バンコク都とその周辺ではもっとも古いものです。

20180428 Map 1

一番古い捷水路のバンコクノイに対して、バンクルアイ運河東側の捷水路はほぼ百年後の1636年に掘られています。それが現在ではチャオプラヤー川本流であるノンタブリー船着場前の流れです。

20180528 Nonthaburi 1

アユタヤ王朝後期になってここがチャオプラヤー川となったのですねぇ~ この区間だけでも以下のようなエントリーがありますが、もし捷水路が掘られていなかったら・・・これらを書く事も無かったのですね。

1995年の円借款72億円が使われたラマ5世橋
20180528 Rama5 Br

1910年に建てられたノンタブリー県旧庁舎
20180528 CityH

チャオプラヤー川沿最大級の公園チャルーム・カンチャナピセーク公園
20180528 Nonthaburi Park

2010年の円借款73億円が使われ最新工法のノンタブリー1橋
20180528 Nonthaburi Br

バンクルアイ運河西側で接する一番古い捷水路はバンコクノイ運河の北側半分になります。バンコクノイ運河の南側半分でシリラート病院(旧バンコクノイ駅跡地)横からワット・スワン・キーリー前までで、この区間はチャオプラヤー川の元流でした。

画像下はワット・スワン・キーリーからバンコクノイ運河を撮ったもので、元流は正面のチャックプラ運河(バンコクヤイ運河の北)から画像左へ流れていました。そして画像右へ行くと一番古い捷水路でバンクルアイ運河とオームノイ運河の丁字交錯点に繋がります。

20180528 BY

バンコクノイ運河の北側半分で一番古い捷水路はタリンチャンで大幹線道路「ボロムラチャチョナニー通りBorommaratchachonnai」、タイ国鉄南本線、そして新線のタイ国鉄ライトレッドラインを横切りながら北へ向かいます。

Express-Bangkok Noi

バンコクノイ運河はタリンチャンの北に行くと陸上から近づくのが難しくなります。東側でほぼ平行して北へ向かう「トゥート・プラキアット通り Thoet Phrakiat」にバスが走っていないは十分承知していますが、歩きながらソンテウが来ないかと気にしていたのですが、どうもソンテウは走ってないようです。

20180528 Map 2

画像下の国鉄「バーンバムル駅 Bang Bamru」裏側(北側)からトゥート・プラキアット通りを北へ20分ほど歩き、バンクルアイ運河に近づくと「Y」字交差点から「バンクルアイ・サイ・ノイ通り Bang Kruai Sai Noi」となります。

20180528 Bang Bamru

バンクルアイ・サイ・ノイ通りはチャオプラヤー川西側でクネクネと南北に走る通りで、バンブアトンまで行く通りなので馴染み深くソンテウも多く走っています。画像下はこの辺りを街歩きするのに使えるソンテウ1010番です。

Songthew 1010-1

ソンテウ1010番はバンクルアイ・サイ・ノイ通りとナコーンイン通りの交差点角にあるスーパーTESCO Lotus横が北側起点です。バンクルアイ・サイ・ノイ通りをずっと走り東側起点はよく分かりません(汗) 橋からは離れていますが、ある意味ラマ5世橋とラマ7世橋を結ぶソンテウです。一律料金だったと思いますが、いくらだったか忘れました(10バーツ以下)。

Songthew1010 Map

他にバンブアトンからの1003番のソンテウもバンクルアイ・サイ・ノイ通りを走り、ワット・チャロー前を通りますが、1003番系統は別ルートが非常に多く広範囲を走るのでよく分かっていません(汗)

これらのソンテウが通るバンクルアイ・サイ・ノイ通りがバンクルアイ運河を渡る橋の南側に「ワット・チャロー Wat Chalo」があります。本エントリーの冒頭画像ですが、あまりも大きいので何枚かの画像を合わせたものです。バンクルアイ・サイ・ノイ通りからその印象的な船の形のお堂が見えます。

20180528 Wat Chalo 1

ちょうどバンクルアイ・サイ・ノイ通りとバンコクノイ運河の間にあるお寺ですが、通りとは反対側の運河側からもこの船のお堂がよく見えます。

20180528 Wat Chalo 2

立派なお堂なのに、周囲があまりにも乱雑で、しかも大きいので良い写真が撮れませんが(汗)とにかく私は見た事もない大きな船のお堂です。

20180528 Wat Chalo 3

えっと現地説明板に寄ると・・・ワット・チャローはアユタヤ王朝の「ボロムコート王(タイ語だとボロマコーにも思える) King Boromakot」(在位1733年-1758年)が夢の中で、中国人が現れて王室御座船の形をしたお堂をこの地に建てる事を要求したそうで、それを概念的に現しているそうです。

20180528 Wat Chalo 4

ボロムコート王が崩御された1758年の9年後に四百年以上続いたアユタヤはビルマ軍に徹底的に破壊されて滅亡する事になりますが、ボロムコート王の時代が文化的には最も輝いていたのかも知れません。いずれにしても1767年のアユタヤ滅亡で多くの貴重な文化遺産が失われたのは残念でなりません。

もっとも・・・現在の船形のお堂は近年に造られたものかと思いますが、それ以前の姿など分からず、これも私の知識不足で残念です。

ちなみに船のお堂で有名なお寺は「ワット・ヤンナワーWat Yannawa」がBTSサパーンタクシン駅近くにありますが、大きさも趣も異なります。

20180528 Wat Yannawa

さて・・・ワット・チャローが面しているバンコクノイ運河には「ワット・チャロー・コミュニティー Wat Chalo community」と呼ばれるコミュニティーがあるのですが、その現地説明板が薄れてしまって全く読めません(涙)

20180528 Wat Chalo 5

いずれにしても運河沿いの集落が面白そうなので、その中の細い路地に入ってみますが・・・次回に続きます。

20180528 Wat Chalo 6

今回のエントリーは二つのショートカットがあるエリアなので、多くの地名が出て来て、東だ、西だ、南北だ・・・と文章の中で右往左往したかと思います。分かり難くてすいません。次回からは単純に元流を追うと思いますが・・・

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2018.05.28 | コメント(0) | タイ・トラベル

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プロフィール

ALSTER

Author:ALSTER
 
ALSTER(アルスター) 深川生まれの江戸っ子。アジア・ヨーロッパ・アメリカなどで海外在住28年超。55歳で日本企業を早期定年退職後アメリカで現地採用され2014年末退職。その後3年半タイでロングステイ。90年代前半からパソコン通信・PC改造・ホームページ運用を行い世界中からアクセス。そんな趣味から海外アクセス術、旅先通信本などの出版にも関わる。ヨーロッパ、北米、東南アジアの国々はほとんど訪れ、旅行にお酒・食べ歩き大好き人間です。

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