ベンジャロン村へ① 食遍歴と陶器

私は東京の下町・深川で生まれ育ちました。老いた職人の父と米軍の爆撃で足が不自由な母、歳が離れた異母兄と早くから働いて面倒をみてくれた姉、5人暮らしは貧乏そのものでした。

まるで昭和のドラマに出て来る貧乏生活そのものです。狭いアパートの一部屋でちゃぶ台を囲んでの食事は団らんではなく、仕事がキツイのか不機嫌なまま酒を飲む父がちゃぶ台返しをする前に食べ終える事ばかり考えていました。

20170803 Room 1

母は外に働きに出る事は出来ませんでしたが、ずっと内職や近所の赤ん坊を預かって家計の足しにしていました。料理らしい事をしていたのを見た事はありません。野菜の煮物に近所で買ったコロッケ・・・それらが毎日の食事でした。

そんな食事で育った私にとって小学校の給食は未知の世界でした。コッペパンもシチューとか鯨の鯨の竜田揚げ・・・脱脂粉乳を除けば給食を食べるのが楽しみで学校に行ったようなものです。そしてパンでもおかずでも出来るだけ母に持って帰っていました。今考えると余すとか捨てると言った事は無かったですねぇ~

School Lunch

そんなコッペパン半分や冷えたおかずを母もとても美味しいと言っていました。母も子も見た事も食べた事もない「素晴らしい給食」だったのです。

狭く貧しいアパートの暮らしを抜け出したくて・・・私は働き出すとすぐ姉が住むアパートに転がり込みました。東急東横線「学芸大学駅」近くの鷹番町、駒沢通りと目黒通りに挟まれたエリアです。

そして最初の職場が品川区だったので、学芸大学近くの自由が丘経由で通勤していました。それが私の食遍歴の始まりです。もう40年以上前の事ですねぇ・・・ きっと貧しかった時の反動なのでしょう。

姉が結婚した後はアパートを転々としましたが、私にとって70年代後半から80年代にかけて自由が丘は青春の街そのものでした。当時からカフェやジャズの文化があり、私は裏路地っぽかった南口の九品仏川(暗渠された数年後)沿いによく行っていました。

20171012 Jiyugaoka

好きなカフェの「花キャベツ」「花時計」「ハイヤニスポート」などで本を何時間でも読んでいたものです。そして夜になると毎日のように行っていたのがピアノ・ラウンジ(Bar)「アンダンテ」と言う店でした。

音大出身の老夫婦(先生とママと呼んでいました)お二人でやり繰りしていた店で、九品仏川緑道の桜並木に面したビルの2階にあった小さな店です。先生がホールを見ながらピアノを弾き、ママが料理を厨房でしている・・・まぁ、(若かった)私などが入るようなお店の雰囲気ではありませんでした。

当時は片っ端から自由が丘のお店に行っていましたが、なぜかここに通うようになり、夜10時まで残業した後に夜11時から最終電車までお店に居るのが常でした。仕事が休みの時は開店を手伝ったり・・・お子さんがいなかったお二人から息子(本当は孫かな)のように可愛がられました。

May22 Piano

そしてある時期から先生に頼まれて、ママと一緒に都内のレストランを巡るようになりました。当時はインターネットなど無い時代で、雑誌などでもレストランとかほとんど扱われていない時代です。

プロの料理人や「通」と呼ばれる人達に知られた店があったのも事実で、そうした店にご一緒していたのです。先生が忙しかったのと、ママは少し目が悪く一人で出かけられない事もありました。

青山、六本木、赤坂、広尾、西麻布、銀座、横浜のレストランから都内周辺の老舗料亭や旅館にも行きました。「料理の鉄人」初代フレンチ・シェフの石鍋裕氏が西麻布の住宅街に一軒家レストラン「クイーンアリス」をオープンしたのが82年で、その後すぐ行った記憶があるので、20代半ばから30歳ぐらいまで続きました。

画像下は79年六本木でオープン直後からファンだったマリークロードの長尾和子シェフです。女性シェフの先駆け的な存在で本を出版したりテレビにも出ておられました。私は修行されたリヨンの店にも行ってしまいました。

20171012 MC

それらの店で料理やマナーはもちろん、お店の良し悪しも自然と覚えて行きました。それが数日前エントリーした「食べ歩きでブログを書かないのですが・・・」にも書いたような40年以上の食遍歴に繋がります。

食やワイン関係の友人が増えて行きました。パリでのワイン会・食事会に多く参加しましたが、私の師匠「辻バードさん」との出会いもこの席でした。きっと天国でもグルメな日々を過ごしておられるでしょう。

tsuji_bard

厨房機械メーカー社長、日本チャーリー・パーカー協会会長、カンザス・シティー名誉市民、そして日本のパソコン界では先駆者のお一人で、ネットワーカーの草分け的存在ですが、「食」への拘りもすごく一年の多くをパリで過ごされていました。この師匠の指示で私はヨーロッパ中を旨い酒と食を求めて巡る事になったのです・・・ 

今はバンコクの片隅、毎日一人で自炊で食べるだけの年寄りですが(汗)

ALSTER at BE

えっと・・・40年近い前のそんな学びの中に食器もあって・・・特にボーンチャイナ(磁器)に強い興味を覚えたのです。素直に美しい磁器に夢中になっていました。

20171012 BC3

その後、私は結婚と同時にドイツへ赴任したので縁が遠くなってしまいましたが、家内とのデートもほとんどこうして覚えたレストランに行っていました。今も家内とどこかの店に行くと、「どこの食器を使っているか?」と二人で底を見たりしています(笑)

20171012 BC4

そして、ボーンチャイナの(現代では)本場ヨーロッパですから(笑)ヨーロッパ各地を旅する度に陶磁器が増えて行き・・・日本に戻った時は、かなりのコレクションと一緒でした。(この上の画像を含めて、家内に頼んで撮ってもらいましたが、すごく手数をかけてしまったのに一部しか載せられなくて・・・)

20171012 BC1

20171012 BC2

今はただ地震が来ない事を祈るばかりです(汗)私自身は地震がない国と州に住んでもう20年以上ですけどねぇ~

やっと本題に近づきました(汗)本当にごめんなさい。

そんな陶磁器好きにとってタイのベンジャロン焼きBenjarongは興味があるものの、正直それほど好きな焼き物でもありませんでした。金彩が目立ってしまい、実用としてはもちろん飾るにもちょっと・・・

20171012 Benjarong

同じタイでもセラドン焼きの方が味わい深いと思っています。画像下はスコータイホテルのタイレストラン「セラドンCeladon」でのセラドン焼きの器です(笑)

20171012 Celadon

ちなみにこのスコータイホテルのセラドンも普通に美味しくタイ料理を味わえます。今は高いので通う事は出来ませんが、17年前から変わっていませんでした。本格タイ料理と言う事なのですが、味付け等外国人向けに振り過ぎている様に私的には思っています。池に囲まれた一軒家的レストランでキムの優雅で華麗な音と共に洗練された(され過ぎ?)タイ料理を楽しめます。

Bus062 Celadon

話を戻してベンジャロン焼きですが・・・そんなベンジャロン焼きの工房が集まっている村がバンコク都西隣のサムットサコーン県ドン・カイ・ディーにあります。もちろん路線バスで簡単に行く事が出来ます。しかもBTS駅からバス1本です。

Don Kai Di 2

話がいつものように長くなりました。次回はベンジャロン村の紹介です。

20171012 Map

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2017.10.12 | コメント(2) | 食いしん坊録

コメント

置き場所

こんにちは。
2000年に帰任する時、高さ12cm位のベンジャロン焼きを1個買いました。帰任後荷物をかたずけていた時ダンボールの中から出て来て、これは何に使うのかと聞かれ、置物だと答えたものの置き場所は考えてませんでした。現在、なぜか仏壇の中央に。少し明るい色合いなんですが違和感なく陣取っています。少し黒基調のものを今度訪タイした時、探すつもりです。

2017-10-12 木 20:19:01 | URL | kou61 #- [ 編集 ]

Re: 置き場所

kou61さん

コメントありがとうございます。

笑っちゃうのは失礼ですが・・・仏壇の中央ですか(笑)
まぁ、金色がすごい仏壇もありますしね。
我が家の黒い仏壇に置いた図を想像してしまい、思わず一人で笑ってしまいました。
いやぁ~ すいません。勘弁して下さい。

2017-10-12 木 22:44:36 | URL | ALSTER #- [ 編集 ]

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ALSTER

Author:ALSTER
 
ALSTER(アルスター) 東京深川出身。アジア・ヨーロッパ・アメリカなど海外在住28年超。55歳で日本企業を早期定年退職後アメリカで現地採用され2014年末退職。その後タイでロングステイし2018年帰国。90年代前半からパソコン通信・PC改造・ホームページ運用を行い世界中からアクセス。そんな趣味から海外アクセス術、旅先通信本などの出版にも関わる。ヨーロッパ、北米、東南アジアの国々はほとんど訪れ、旅行にお酒・食べ歩き大好き人間です。

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