スコータイ王朝要塞都市カンペーンペット(7) スコータイ歴史公園

チャオプラヤー川が始まる「ナコーンサワン Nakhon Sawan」、そのチャオプラヤー川に繋がるピン川が流れるスコータイ王朝の要塞都市「カンペーンペット Kamphaeng Phet」を歩く旅、その7回目です。

「メジャーな観光地を扱わないブログ」「どこどこ行って何々見た的な観光ガイドのブログにしない」・・・そうした流儀に反するようなお題が今回になってしまいますねぇ~(汗) このシリーズを書きながらどのエピソードもそれが気になっていますが、今回はいくらでもネットにあるだろう大観光遺跡「スコータイ歴史公園」が出てくるので余計に気になっています(苦笑)

スコータイが観光地であるのは歪めないのですが、なぜそこに行き、そこで何を感じ、何を思ったのかを綴りたいと思います。前回も書きましたが「王朝と宗教の変遷」「クメールの影響」「スコータイの特徴」が本来のテーマです。

スコータイ歴史公園のワット・マハタートです(2001年の撮影です)
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タイでのロングステイ時(2015~2018年)の旅は大きなテーマをいくつか持っていました。その一つがチャオプラヤー川を遡りながらも歴史と王朝をも遡る事です。そのタイ王朝の簡単な推移と関係する本ブログのエントリーは以下の通りです。

スコータイ王朝 1238~1448年 スコータイ王朝カンペーンペット(本シリーズ)
   
アユタヤ王朝  1351~1767年 ソンテウを使いこなしてアユタヤ自由自在(予定)
               チャオプラヤー元流を歩く(エントリー中)
トンブリー王朝 1768~1782年 トンブリー王朝の面影を探し 全27回
   
チャクリー王朝 1782年~    チャックリー王朝首都防衛城壁を歩く 全8回
                 チャックリー王朝首都防衛要塞を行く 全5回

チャオプラヤー川が上流でピン川に繋がりカンペーンペットがあります。さらにピン川を遡るとラーンナー王朝(1292年 - 1775年)の首都となったチェンマイに繋がります。まさしくタイの歴史はチャオプラヤー川を遡る事で繋がるのです(自説です)。

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そんなこの旅は2018年5月に行ったもので、同年5月20日からブログ・エントリーし始めたものの完結せずに今に至っています。その為、情報等は全て当時のものです。そしてこのシリーズの過去のエントリーは以下の通りです。

スコータイ王朝要塞都市カンペーンペット(1) 序章&北バスターミナルへ
スコータイ王朝要塞都市カンペーンペット(2) バンコク~カンペーンペット
スコータイ王朝要塞都市カンペーンペット(3) カンペーンペットの町
スコータイ王朝要塞都市カンペーンペット(4) 歴史公園(城壁内)
スコータイ王朝要塞都市カンペーンペット(5) ワット・プラケオ
スコータイ王朝要塞都市カンペーンペット(6) クメール王朝支配

さて、今回の旅のテーマ「スコータイ王朝」の領地はスコータイ、ピサヌローク、カンペーンペット、ナコーンサワンなどタイ北部の南側から、最盛期のラムカムヘン大王(ラームカムヘーンとも)在位でも中部の一部を含む程度の規模だったとされます。

その中でスコータイ、シーサッチャナーライ、カンペーンペットの三つの歴史公園が世界遺産として登録されています。今日はその中でもスコータイ歴史公園の話です。

なお、画像と記録などは2001年のものを使っていますので情報は当時のものです。ただ、歴史や遺跡は変わらないので、スコータイ王朝全体の話を構成するのに使っています。

スコータイ歴史公園 Sukhothai Historical Park

カンペーンペットの北東80㎞にスコータイ歴史公園はあり、スコータイ王朝の王都になる前はクメール王朝の一地方都市だったと思われます。

歴史公園城壁内にある3連のクメール様式プラ―ンが残る「ワット・シーサワーイ Wat Sri Sawai」は、スコータイ王朝以前の12世紀末から13世紀初頭にかけて建てられたヒンドゥー寺院でした。スコータイ王朝以前はこの様な寺院(あるいは神殿)ばかりだったでしょう。

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やがて王朝第3代のラムカムヘーン大王の時代でスリランカから仏教を導入し保護した結果、クメール様式の寺院が仏教寺院に改修されたり、新たにスリランカの影響が大きいスコータイ様式の寺院も建てられたのでしょう。現在のスコータイ歴史公園ではこの二つのタイプの寺院が見られます。

冒頭の画像ワット・マハタートは13世紀の建立と言いますから、まさに1238年のスコータイ王朝成立後に王都の中心寺院として建てられた寺院なのでしょうが、元々あったクメール寺院を改修したように私には見えます。画像下もワット・マハタートでスコータイ様式の仏像です。

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ワット・マハタートのアッタロット仏像です。スコータイで多く見かけます。仏立像あるいは遊行仏もスコータイ様式の特徴の一つであるように思えます。

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画像下もスコータイ歴史公園の大変印象的な「ワット・シーチュム Wat Sri Chum」で、仏教寺院そのものであるのはご覧の通りです。諸説あるようですが、ラムカムヘーン大王(在位1279~1299)以降の時代に建立されたと私は思います。

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歴史公園城壁内の主要遺跡は貸自転車で回ったのでへとへとに疲れてしまいましたが、城壁外の南にどうしても見たい遺跡がありました。22年前はタイ語がほとんど話せなかったのですが地図を見せてオジサンに連れて行ってもらいました(これを彼はトゥクトゥクと言っていましたねぇ~)。

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「ワット・チェトゥポン Wat Chetuphon」は保存状態が良くなく劣化が進んでいる中を近所の子供たちが遊んでいました。そんな子供たちにカメラを渡してシャッターを押させたのは私ですが(笑) この頃のスコータイは観光客は少なく、城壁外になると誰もいなく朽ちるまま時が過ぎていくような地でした。

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この遺跡に行きたかったのは、スコータイ王朝以外では見る事がない層塔の四面に坐像、立像、臥像、遊行像の四つの姿を浮き上がらせた仏像です。城壁北の「ワット・プラ・パーイ・ルアン Wat Pra Pai Luang」にも同様の構造物がありますが、他では見たことがないですねぇ~

今は頭部を失った遊行像の一部が残っているだけですが、生々しい足が今にも動きそうに見えたのは周囲に何もない草原の中に突然現れたお姿だからでしょうか。そして・・・17年後に行ったカンペーンペット歴史公園でここを鮮明に思い出すことになりました。そのお話はまだ先なのですが・・・

画像下はスリランカで12世紀(スコータイ王朝以前)の建立と言われるガル・ヴィハーラ寺院です。坐像、立像、涅槃像が花崗岩に彫られています。こうした仏像をスコータイで再現したかった、しかし花崗岩がなくてレンガにラテライトとスタッコを使ったものの劣化が激しく頭部から崩れた・・・こんなストーリーを勝手に考えてしまいます。興味深いですねぇ~

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スコータイ歴史公園はさすが王都だっただけにシーサッチャナーライやカンペーンペットに比べ広大です。そして他の歴史公園内の遺跡と比べると・・・スリランカからタイへ持ち込んだ仏教、それが強く影響し作り上げたスコータイの文化を王朝成立以前からあったクメール文化に上書き、インストールしてスコータイ様式となる文化を造り上げた・・・そんな王朝が遺跡から強く読み取れるのです(自説です)。

スリランカのダンブッラ黄金寺院です
20180701 Dambulla

このようにスコータイ王朝(の遺跡)へのクメールとスリランカの影響、ヒンドゥー教と仏教の影響などが興味深く思え、王朝と宗教の変遷が遺跡にどう現れるのか・・・そんな思いで遺跡を歩いたのです。

今回も長くなりました。最後までお読みいただき、ありがとうございます。次回に続きます。

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2023.11.30 | コメント(1) | タイ・トラベル

コメント

Re: スコータイ行きたかったです

非公開コメントを頂いています。
ありがとうございます。

物的にも精神的にも日常と距離を置く旅は良いものですね。また、距離を置くことで日常を俯瞰して見られるのも旅かと思います。
ご旅行がお好きな様子ですので、そんな楽しみを膨らませながら、日々頑張ってください。

このブログが少しは旅気分を思い起こさせるきっかけになれば幸いです。

2023-11-30 木 15:40:52 | URL | ALSTER #- [ 編集 ]

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Author:ALSTER
 
ALSTER(アルスター) 東京深川出身。アジア・ヨーロッパ・アメリカなど海外在住28年超。55歳で日本企業を早期定年退職後アメリカで現地採用され2014年末退職。その後タイでロングステイし2018年帰国。90年代前半からパソコン通信・PC改造・ホームページ運用を行い世界中からアクセス。そんな趣味から海外アクセス術、旅先通信本などの出版にも関わる。ヨーロッパ、北米、東南アジアの国々はほとんど訪れ、旅行にお酒・食べ歩き大好き人間です。

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